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ヴァージンココナッツオイルの糖尿病予防効果
インドネシアのココナッツオイル
インドネシアはココナッツオイルの生産は世界一。この事実は意外と知られていません。
台風の被害がないため良質のヤシプランテーションが各島に展開されています。
特にスマトラ島での栽培は盛んです。台風の発生の国フィリピンとは対照的です。
ヤシの核果を乾燥したものをコプラといいますが、コプラから高温加熱、化学薬品処理したいわゆる精製ココナッツオイルが食用油として汎用され、また化粧品やマーガリンの原料として日本を除く世界中に輸出されています。
バイオディーゼル燃料への転換によりココナッツオイル価格が上昇する被害はインドネシアを巻き込んでいます。
インドネシアのEVCO研究
APCCのメンバー国でもあるインドネシアは、早くからヴァージンココナッツオイルの有用性や健康食品応用性に気づき、研究開発が進められてきています。
既に小規模ながらヴァージンココナッツオイル製造は行われていますが、工場の多くがジャカルタなどヤシ生産地から遠く、大量の新鮮ヤシ入手が困難な事、また新鮮な核果を使用しなければならないので非常に高価となっています。
精製ココナッツオイルに慣らされ大消費地の都会で暮らす現代人は、新鮮なヴァージンココナッツオイルの匂いにも抵抗があるようです。
この様な理由からヴァージンココナッツオイルは、インドネシアでも大きな市場となっていません。
その有効性を科学的に評価し、確かなエビデンスを作り上げて行く国家的な方針のなさ、99%が小企業であることから研究開発が困難、自国農産物に高付加価値をつけることの意識の低さなどによって、ヴァージンココナッツオイル研究はあまり進んでいません。
インドネシア政府はヴァージンココナッツオイルの基礎的な研究から臨床応用までの研究開発プロジェクト案を作成し、日本政府に二国間共同研究を提案したが、日本政府の政府開発援助優先順位から外れており、実現していません。
自動車金型の記述移転が最優先であったと聞いています。
その中でもインドネシアが誇るボゴール農業大学(IPB)とボゴールに本部を置く産業省傘下の農産物研究センター(CABI, Center for Agro-Based Industry, 所長Mr.Setiawan)は、ヴァージンココナッツオイルのヒト健康への有用性を検討しています。
M&KはCABIとはMOUを締結し、ヴァージンココナッツオイル (EVCO)の共同研究開発を行なっています。
EVCOは糖尿病に効果
ボゴール農業大学とCABIは共同研究を行っており、CABI研究者Mr. Dadang Supriatnaは糖尿病へのEVCOの効果を最近報告した。
アロキサンという糖尿病誘起物質をラットに投与して糖尿病モデルを作製し、EVCOと市販の食用オイル精製ココナッツオイル(RCO)を傾向的に与え血糖値に及ぼす効果を検討した。
EVCOとRCOは成人の摂取量を一日45mlから、これに相当する投与量を糖尿病ラットに28日間毎日経口投与し、4日毎に血糖値を測定した。
血糖値の推移を下記の図に示す。
縦軸:血糖値mg/dl 横軸:投与後日数 SD系雄性ラット:1群5匹
結果と考察
EVCO投与により血糖値は、陽性対照(糖尿病)に比較し低下を示し、糖尿病に対する改善効果が明らかであった。
一方、市販の食用油である精製ココナッツオイル(RCO)は全く改善の兆候は認められなかった。
同時に血液中の総コレステロール、LDL、HDLおよび中性脂肪を測定しているが、これらの値の増加や減少は認められていない。
一般的にどの植物性食用油も加熱処理、部分水素添加処理によってトランス脂肪酸が増加し、健康被害の原因となっている。
ココナッツオイルの場合は90%以上が飽和脂肪酸であり、トランス脂肪酸の含有量は極めて少量(0.2%という報告がある)である。
しかし、この試験成績からトランス脂肪酸とは関係しない何かが糖尿病の改善に妨害的に働いているように推測される。
結論的に言えば、ココナッツオイルといえども精製と称した人口処理をしないことが、健康維持増進、病気改善に善いといえるのではないでしょうか。
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