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蘇った熱帯薬用植物ノニ (12):便秘からガンまで, ノニのフェイク情報

2024年07月21日 12:01 | コメント/トラックバック (0)

蘇った熱帯薬用植物ノニ (12):便秘からガンまで
日本人が騙され続けるノニのフェイク情報

プロゼロニンとゼロニン

パイナップルの酵素研究で有名なハワイ大学の故ラルフ・ハイニッキ(Ralph Heinicke)博士は、ノニ果実にはプロゼロニンという物質が多く含まれ、体内に吸収されてプロゼロニナーゼという酵素によってゼロニンに変化し、ゼロニンが様々な作用を発揮するというものです。
いわゆる「プロゼロニン‐ゼロニン説」です(11)。
少し、化学の知識があればプロゼロニンもゼロニンも実在しない架空の物質と直ぐにわかってしまいます。
ラルフ・ハイニッキ教授は、尊敬すべき研究者でありパインアップルに含まれる酵素ブロメラインの発見者です。
恐らく下記M社の悪徳商売人に騙されて、偽情報「プロゼロニン‐ゼロニン説」の提唱者とされたものと思われます。

アメリカのM社は、この「プロゼロニン-ゼロニン説」を世界中に流布し、ノニジュースの啓蒙と販売に利用しました。
この説について、ハイニッキ博士にメールで問い合わせをしましたが、回答は得られずまま他界されてしまい、非常に残念に思います。
博士はパイナップルの酵素研究の第一人者であり、長崎大学薬学部や日本の製薬会社と共同研究もされた方です。

ハワイ大学のマックゥラチィー(Will McClatchey)博士のノニに関する論文中にプロゼロニンとゼロニン物質が記述されている。
しかし、博士は両物質が確認できないこと、編集者も植物化学や薬理学のデータベースに両物質名は見当たらないと論説しています(12)。
端的に言えば、プロゼロニンもゼロニンも架空の物質であるということです。

しかし、ラルフ・ハイニッキ教授は、ブロメラインをゼロニンという架空物質名に置き換えただけで、ノニには今見直しがされている抗腫瘍効果のブロメラインに匹敵する物質、作用を確信していたのではないかと推測しています。

ダムナカンタール

数十種類以上の植物エキスの抗腫瘍効果のスクリーニングの研究は日本で行われ、ノニの根の抽出エキスに極めて高い抗腫瘍効果が認められています。
有効成分はアントラキノン系のダムナカンタールという物質です。
この研究自体は評価されるもので、腫瘍発生に関するRas遺伝子形質転換細胞の活性をダムナカンタールが抑制します(13)。
ダムナカンタールは果実には含まれていません。
しかし、果実由来のノニジュースの効果を示す材料として、巧妙に販売の宣伝材料に使われてしまいました。

フェイク情報を信じる販売者と消費者

このように、虚構の物質そして根を果実に置き換えて、ノニジュースの効果を広めたアメリカ系のノニジュース製造販売者がいました。
当時、ノニ果実についてはほとんどの方が知らず、アメリカ人の言うことは正しいと盲目的に信じてしまうのは避けられないことです。
ノニジュース販売者と消費者は、犠牲者と言えるでしょう。
ただ、残念なことに、今だプロゼロニンやゼロニンをノニの効果成分としてノニジュースを販売するものがいますし、信用して購入する消費者もいます。
ノニジュースが世界的に注目されて25年経過し、多くの研究成果が報告され、ノニジュースの品質管理が向上しています。
フェイク情報の流布は止めて、自然の恵みであるノニジュースを「自分の健康は自分で管理する」目的で正しい健康管理と予防医学的に利用していただきたい。

ノニはタヒチ産が最高と考えた日本の業者

健康分野で著名な方が202年前に言っていました、「健康産業分野の人間の8割は詐欺師」と。
この状況は現在でも同じで、問題は大企業が偽物情報をマスメディアを通じて宣伝するようになったことで、以前より悪質になっているように思われます。

大阪のノニジュース販売業者が、インドネシア産のノニジュースをタヒチ産と偽り、更に薬事法(現在の薬機法)に抵触する行為を行い大阪府警に逮捕されました。
大阪府警より2名が来られ、様々な質問と操作をされ、その結果逮捕されたものです。

この大阪の業者は、全くノニのことを知っていない。
ノニの評価を落とした非常に憤りを感じる事件でした。

フランス領タヒチ産のノニは、原産国インドネシアのものに比較し、20%の低品質品であるのが事実です。


インドネシア産のノニ果実
メンクドベサール

出典
11.自然療法取材班。よみがえる奇跡のハーブ モリンダ・シトリフォリア、ジュピター出版、東京
12.Will McClatchey. Iintergrative Cancer Therapies, 1(2), p110, 2002
13.Hiramatsu T. et al. Cancer Lett. 73 (2-3): p161, 1993

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