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蘇った熱帯薬用植物ノニ (8):便秘からガンまで, ノニは天然染色材

2024年07月18日 12:00 | コメント/トラックバック (0)

蘇った熱帯薬用植物ノニ (7):便秘からガンまで
ノニは稀少な天然染色材

染色材

ノニ果実や葉の有用性に加えて、根や幹材、樹皮はインドネシアでは古くから染色剤として、伝統的な衣類のバテックや伝統文化であるろうけつ染めの染色材に使用されていました。
赤、黄のあざやかな色と褪せないことで有名です。
ドイツで合成染料が発明される19世紀までには、ノニの根は染色剤としてヨーロッパに輸出もされていました。

因みにバティックの本場、中部ジャワの古都ジョクジャカルタの染色業者にノニの根の使用を尋ねたところ、誰もノニの根が染色剤として使用できるということを知りません。
もし、ノニの根の抽出物があれば使ってみたいとのことでした。

現在、インドネシアではほとんど利用されていませんが、日本の染色愛好家のなかで非常に好評です。
京都の老舗、田中染料さんや各地のグループが使用しています。
沖縄でもノニの木はありますが、ノニ果実の利用はされないものに、根は染色材として利用するそうです。


赤、黄のあざやかな色の色素成分は、アントラキノン系のモリンディン(Morindin)やモリンダジオール(Morindadiol)などの色素です。
媒染剤によって黄金色から赤色に染め分けることができます。
ヨーロッパで1790年に実験的に染色を試みたとの記録があります。
樹齢3年程度の若いノニの根が最も染色に適していると言われています。

インドネシアのパートナーにノニの根を提供するように懇願しましたが、ノニ果実の収穫ができないと拒絶されましたが、それでもノニの2~3本の根の乾燥材を提供してくれました。
ノニの根から興味本位に信州大学医学部で抽出し、2種類の粉末を得た思い出がありますが、単なる好奇心です。

赤いモリンディン粉末


黄色いモリンダディオール粉末

実際の染色知識はありませんでしたので、韓国の染色専門家の協力を得て、4種類の染色が可能です。
インドネシア産のノニの乾燥根を用いた場合、ミョウバンを媒染剤として染色すると鮮やかな黄金色に染まりますが他の天然素材では難しいようです(7)。

ノニの根を温湯につけ浸出液(酢でpHを酸性に)で染色することは可能ですが、色が薄くまた色落ちがありますので、媒染剤を使用することをお勧めします。
媒染剤として、次の4種類を用いてお好みの染色をお楽しみください。
天然植物素材で貴方の好みのオンリーワン染色をどうぞ。

1ミョウバン:鮮金色の染め上がります、下図の左端
       専門家の評によると、鮮やかな金色は、他の植物色素では染色できないとのことです。
2硫酸鉄
(FeSO4): 濃い金色に染め上がります、下図の左から2番目
3硫酸銅(CuSO4): サビの効いた赤色~褐色に染まります、下図左から3番目。
4アルカリ剤(K2CO3): 美しい淡い赤色に染まります、下図の最も右。


ノニ根の染色絹への応用例

 
   

ミョウバン

硫酸鉄

硫酸銅

アルカリ剤

現代では合成着色料が一般的ですが、天然の色素による染色は非常に稀少と言えるでしょう。
欧州の天然染料研究者にノニの乾燥根をお送りしたことがありますが、天然素材が見直される時がくるのではないでしょうか。

なお、ノニの根はインドネシアでは食品としては使用されていません。
ノニの根の飲料が一時販売されましたが、絶対に摂取すべきではありません。

出典
Hong Sun Pyo. Dyeing Properties of Noni Root Extracts on Silk Fabrics, 2010

 

 

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