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インドネシア原産
アンダリマン山椒
約7年の雌伏の期間を経て、10月の現地調査の結果に基づき、漸くインドネシア産の山椒の輸入の目途が付きました。
インドネシア工業省が長年現地インドネシアで広く普及させたいと商品開発を行い、若干ながらも協力した経緯もあり長年の夢がかなえられるものと嬉しく思っています。
商品名を「アンダリマン山椒」と命名したいと考えています。
インドネシアのスマトラ島のごく一部に原生の山椒が自然植生し、稀少な調味料として原住民バタク族が長年使用してきています。
大規模なプランテーショーン化には植物の性質上、生育環境のため進んでいません。
バタク族はインドネシアでも優秀な民族であり、政界・経済界・司法において多くの著名人を輩出していると聞いています。
日本の山椒に比較して柑橘類系の香りに特徴があり、遜色ないかそれ以上と思われます。
アンダリマン山椒の植物学
名称:サンショ、山椒、アンダリマン山椒、インドネシア産山椒
分類:
目:ミカン目
科:ミカン科
属:サンショウ属
学名: Zanthoxylum acanthopodium DC
和名:なし
現地名:アンダリマン(Andaliman)、TubaまたはItir-Itir
英名:なし
アンダリマン山椒について
サンショウの仲間のサンショウ属は地球上の熱帯・亜熱帯および温帯に広く分布しており、250種余りが知られている。
しかし、調査した限りアンダリマン山椒は日本では報告、知られておらず日本初出の山椒となる。
分布・生育地
アンダリマン山椒は、インドネシアの最西島であるスマトラ島にだけ生育するとされている。
スマトラ島においても、生育地は北スマトラ州のインドネシア最大のトバ湖を中心とする地域に限定される。
赤道直下の地域だが、標高1200~1500m、温度15~18度がアンダリマン山椒生育の最も適してる。
形態・生態
アンダリマンの木は5メートルの高さまで成長しますが、2~4mが標準の高さ。
形態学的には、幹全体にトゲがあり、葉が散在し、奇妙な羽状の集合物や茎があり、油腺が含まれている。
アンダリマンの果実は小さく丸く、果皮は濃い緑色から赤みを帯び、種子の色は黒色で、噛むと香ばしい香りがし、鋭い独特の苦味がある。
若い実は緑色で、熟すと赤くなり噛むと苦味があり、唾液分泌を刺激する香りが特徴。
アンダリマンの実を噛むと、舌に温かみが残り、食欲を増進作用がある。
アンダリマン果実の成熟度は、果実の味に影響し、熟すほど辛みと苦みが強くなる。
この果実から発せられる香りは非常に独特で、柑橘系のレモンの香りに似ている。
芳香化合物であるヒドロキシ-アルファ-サンショオールによって、スパイシーで苦い味と暖かい味がする。
利用
アンダリマン山椒は、トバ湖周辺に住むパタク族によって好まれ、民族の伝承的な料理に使われている。
バタク料理では、アンダリマンは新鮮なまま、あるいは乾燥した形で加工され、通常は山椒を潰しさまざま料理のスパイスとして利用されている。
例えば、インドネシア独特のサンバルソース、ポークカレー、チキン、麺などの料理があり、スパイスだけでなく、さまざまな種類の典型的なバタク民族のチリソースを作るための素材にもなっている。
有用性・薬効能
アンダリマン山椒にはさまざまな芳香族化合物とエッセンシャル オイルが含まれている。
リモネン、シトロネラール、-ミルセン、2-β-オシメン、リナロール、-シトロネロール、ネラル、ゲラニオール、ゲラニアル、酢酸ゲラニル、セスキテルペンを含む、少なくとも 24 の揮発性成分が報告されている。
アンダリマン山椒には幼虫駆除、抗炎症、鎮痛、抗菌、抗酸化、抗真菌などの生物活性がある。
テルペノイド化合物には、抗酸化作用と抗菌作用(Bacillus cereus, Eschericia coli, Pseudomonas fluorescens, Salmonella typhimurium, Staphylococcus aureus など)がある。
この抗酸化作用と抗菌作用は、多くの食品の色と香りを維持し、健康に害を及ぼす傾向のある合成防腐剤を置き換える天然防腐剤としても使用できる。
一般栄養成分
アンダリマン山椒の栄養成分を以下の表に示します。
栄養成分 100g当たり | |
カロリー | 99 kcal |
たんぱく質 | 4.5 g |
脂質 | 1 g |
炭水化物 | 18 g |
カルシウム | 383 mg |
リン | 107 mg |
ビタミンA | 0.1 mg |
ビタミンB1 | 3 mg |
ビタミンC | 14.7 mg |
インドネシア保健省資料
アンダリマン山椒の特徴
日本産の山椒としては朝倉山椒が起源種として一般的です。
近年、日本産山椒の品薄のため中国から花椒が輸入されているが、花椒はただ辛味・酸味があるだけで四川料理にあう香辛料であり、日本食には不向きです。
インドネシア産のアンダリマン山椒は、爽やかで鋭さがある日本の山椒の香りに、甘さの割合の多い柑橘っぽい柔らかみが加わったような香りがあることが大きな特徴です。
日本の山椒を凌駕し、日本人の味覚にあった新しい山椒といえます。
アンダリマン山椒の香気成分、日本産との比較
非常に強い柑橘類系の香りがするアンダリマン山椒。
山椒の主たる香気成分はモノ環状テルペノイドのリモネンである。
アンダリマン山椒のリモネン濃度を日本産山椒と比較してみる。
分析試料の新鮮物と乾燥品との差はあれ、圧倒的にインドネシア原産アンダリマン山椒のリモネン含量は高い。
また、今回の分析では香気成分としてリモネンに加えて7種成分がか確認された。
これら成分がインドネシア産アンダリマン山椒を特徴づけるものです。
D-リモネン以外の香気成分
アンダリマン山椒の香気を構成する成分として、リモネン以外にも10種類以上の香気成分が含まれています。
これら成分の複合によって、アンダリマン山椒の独特の香気や辛味が生まれているのです。
生産量
トバ湖周辺地域で採取される年間収穫量は、生山椒として約600トンと推測(乾燥ベースでは50トン)。
現在そのほとんどは現地住民によって消費されている。
価格
現地調査を行った結果によると、アンダリマン山椒の価格は、収穫期や宗教・祭日に伴い急激に上昇し、年間通じて変動する。
特に年末にかけても最も市場価格は高くなり、最も収穫量の多い3~5月には価格は下落する傾向です。
輸入供給方針
現地エージェントを介した品質管理を兼ねて入手ルートは確立されている。
最も合理的な価格である時期に発注する計画とし、初年度の輸入量を1,000kgと見込む。
小枝を取り除き、種子は極力減らし、乾燥果皮だけを輸入・供給する。
また、ご要望に応じた粉末化を日本で行い、供給することも可能である。
サンプル提供
本年サンプル的に輸入したものがあるため、味・匂い確認用に無償提供します。
今回のサンプル品は小枝が完全に除去されていませんが、今後輸入する商品では果皮だけといたします。
アンダリマン山椒使用の料理例
タイ風カレー
関連人物
関連項目
外部リンク
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