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松本市、松枯れ病対策に農薬散布
養蜂家、ミツバチ死滅被害のため反対
経緯
10年以上前から問題となっている、松本地域および周辺における赤松のマツノザイセンチュウによる松枯れ被害。
弊社もこの被害を深刻に受け止め、インド栴檀によるセンチュウ駆除を提案しましたが、松本市も関東農政局も賛同してくれませんでした。
被害は広がり、松本平の東側の山々は枯れた松によって、紅葉のように見えます。
菩提寺である名刹正麟寺の墓地の赤松もほぼ松枯れにより全滅。
墓地内の枯れ木の処理は困難であり、またその処理費用は1本あたり20~30万円と言われています。
枯れた松に繁殖するヒトクチタケ
松が枯れたことを意味します
インド栴檀を勧めた時期には、松の樹幹に注入するだけで特効的な効果を発揮する農薬があり、これに期待したものです。
現状の広がりからして効果はな買ったのでしょう、また伐倒・燻蒸処理にも人的な問題があり根治できなかったものと推察できます。
松枯れ病の原因
北アメリカより明治時代に日本に持ち込まれたマツノザイセンチュウ。
体長は約1mm程度の小さな線虫ですが、卵で生まれて親になるまで3~5日しか必要とせず、メスは約100個の卵を生むため松の材内で莫大な増殖が行われます。
松枯れ病被害とは、マツノザイセンチュウが松の体内に入り水分の通導を阻害し、松を枯らしてしまうことを言います。
マツノザイセンチュウは自分で松から松へと移動できません。
松の体内に潜入し松を枯らしたら、他の昆虫の力を借りて次の松に移動します。
このマツノザイセンチュウを運ぶ「運び屋」が、「マツノマダラカミキリ」なのです。
現在の松枯れ病の防除方法
1.駆除法
1)特別伐倒駆除―被害木を伐倒・玉切りにして破砕・焼却・炭化
結果:搬出先から被害の拡大
2)伐倒駆除―被害木を伐倒・玉切りし、枝条を含め農薬(スミチオン、Baycid)散布
結果:カミキリ幼虫の殺虫効果は不安定。現在使用されない
3)薫蒸処理―被害木を伐倒・玉切りし、枝条までビニールで被覆薫蒸。
カミキリ幼虫や線虫に100%の駆除効果。
季節を問わず実施可能で全国的に採用。
有毒な臭化メチルが使用されていたが、現在は別物質(?)。
結果:枝条部までの完全処理はできない。被覆資材放置による環境汚染。
2.予防法
1)空中散布(スミチオン、Baycid乳剤)―カミキリの発生時期に航空機による樹冠部への殺虫剤散布。
結果:住宅・水源林・野生動物生息地・農作物栽培地・畜産施設・養蜂・養殖場などへの散布制限、ドリフト被害。
2)殺虫剤のマイクロカプセル化―スミチオンの光・降雨・蒸発による分解・流出による効果減弱を補うマイクロカプセル化により散布回数を減らす。
人畜毒性・魚毒性・自動車塗装への危被害の大幅軽減(殺虫剤の空中散布は危険)。
結果:実用化されていない。
3)地上散布―カミキリの発生時期に樹冠部への動力機噴霧。
樹高40mまで噴霧可能なスパウター使用可能。
結果:松林では散布作業が容易なため、低濃度薬剤の複数回散布。
4)樹幹注入―冬期間に健康な松樹幹に薬剤(Greengurd,Megatop,Shotone剤など)を注入。
成虫の発生前に樹冠全体に浸透移行分布させる。
予防効果は高く、2~3年持続する。住居地域に適する。
結果:コストが高い。
3 生物防除
1)天敵微生物―検討中
2)天敵昆虫・線虫―結果:昆虫の取得異性が低く、線虫は効果なし。
3)鳥類保護―カミキリ幼虫の捕食者としてのキツツキ類の保護誘致のためのねぐら用巣箱の開発。
結果:鳥誘致には広葉樹の混合林が必要。
4)誘引剤―カミキリ幼虫の誘引剤、2種が開発されている。
結果:松材線虫の離脱後の成虫だけが捕獲されるため、防除への利用の可能性は低い。
5)樹勢回復剤
結果:松材の活力剤、植物活性剤、微生物土壌活性剤などは、
いずれも松材線虫病に対する予防・防除、殺線虫、忌避効果は認められない。
行政の対策:農薬散布
長野県松本地域振興局
http://www.pref.nagano.lg.jp/matsuchi/matsuchi-rimmu/shokonorin/akamatsu.html
松本地域での、松くい虫(マツ材線虫病)による松枯れ被害は、平成12年度に、麻績村、旧豊科町、旧三郷村ではじめて被害が確認され、平成16年度には、松本市、旧明科町、旧坂北村、生坂村で被害木が確認されています。
松くい虫は早期処理で被害の拡大を防止できます。皆様のご理解とご協力をお願いします。
反対意見
松枯れ防止を目的とした農薬空中散布は、これまで莫大な予算をかけて行われてきたにもかかわらず全く効果があがっておらず、深刻な松枯れは全国に広がり続けています。
加えて、農薬空中散布は、人体被害を生じさせ、生物多様性を破壊するなどの悪影響をもたらしています。
近年、松枯れ防止のために散布される農薬は、人体影響が少ないという理由で、有機リン系農薬からネオニコチノイド系農薬に移行してきていますが、ネオニコチノイド系農薬は、人体被害はもちろん生態系に壊滅的な打撃を与えることが報告されています。
私たちは日本ミツバチを飼育育成保全するグループですが ここ4-5年日本ミツバチの大量死が相次いでいます。
田んぼにやるネコチノイド系農薬散布後は大量のミツバチの死骸が見られ 蜂群が崩壊してしまいました。
山の蜂ともいわれる日本ミツバチは松枯れの空中散布によって壊滅に至る可能性があります。
生態系に与える影響は多大です。
松本市郊外の旧四賀村で、昨年6月と7月と2度に渡り、松枯れ被害に対する農薬の空中散布が行われました。
散布された農薬は、クロロニコチニル系殺虫剤のネオニコチノイドと言い、急性毒性は低いとされていますが、昆虫に毒性を発揮し、全世界で認められているミツバチ大量死や失踪の原因とされています。
また、乳幼児や胎児の脳にも影響があると危険視され、ネオニコチノイド系農薬3種は、2013年度からEU全域で使用禁止となったものです。
生殖器にも影響すると言うそれら危険な農薬を、松枯れ被害をもたらすマツノカミキリムシ駆除のため、再び、空中散布すると言う計画が松本市でありますし、安曇野市でも予算付けされたとお聞きしました。
松枯れについては 農薬の効果も実証されてもいないし問題視され中止の方向に向かう自治体も多くあります。
上田市 出雲市など 安曇野の松川村では鈴虫に与える影響、池田町では蛍に与える影響が多く中止になりました。
多くの地方で効果が上がらず中止を検討するところが増えつつあります。
そんな中で安曇野で有人へりによるスミパインMCという有機リン酸系の農薬散布を計画中です。
報道によるとネオニコチノイド系農薬に変更になりました。この計画中止をお願いする次第です。
安曇野和蜂クラブ 代表 伊藤旭二
日本ミツバチネットワーク 代表 臼井健二
健康寿命宣言の街、松本市での農薬散布
散布される農薬は、ネオニコチドイド系の農薬と言われています。
この農薬は、欧州では禁止されているもので、ミツバチへ甚大な被害を及ぼすことが確認されています。
「ネオニコチノイドはシナプス部分の後膜に存在する神経伝達物質アセチルコリンの受容体「ニコチン性アセチルコリン受容体 (nAChR)」に結合し、神経を興奮させ続けることで昆虫を死に至らしめる。
ネオニコチノイド系農薬のヒトの脳への影響、とりわけ胎児・小児など脆弱な発達中の脳への影響を懸念する意見もある。
ネオニコチノイド系殺虫剤はこれまで各国で主に使用されてきた有機リン系殺虫剤と比べ、人体や哺乳類・鳥類・爬虫類への安全性は高い。
一方で昆虫に対する毒性は強く、また植物体への浸透移行性を持ち、さらに残効も長いことから殺虫成分が植物体内に長期間残る
(葉面散布では2週間から1ヶ月程度。粒剤処理や灌注処理では3ヶ月程度。それに対し有機リン剤は3日程度)。
害虫予防や殺虫剤の散布回数削減のためにはこうした残効の長さは利点となるが、殺虫成分は葉や果実だけでなく花粉や蜜にまで移行するため、これらを餌とするミツバチなどの有用昆虫も長期に渡って巻き込まれる恐れもあるのではないかと危惧されている。」
以上Wikipediaより
最も良い対策とは
赤松被害を根絶することは、自然環境を大切にする信州松本や安曇野では非常に重要なことです。
しかし、人間に対しては毒性が低いとはいえ、無害ではなく野菜・果物などへの残留農薬による健康被害、何よりもミツバチの死亡による毒性は看過できません。
さらに、過去の九州などの被害地からの経験から、空中散布が効果を発揮した例は寡聞にして知らない。
松本市のみならず、行政は被害が少ない時に伐倒処理による根絶を行うべきであった。
今になっては取り返しがつかない。
健康長寿松本市、医師である松本市長が農薬を散布することを決断したことに疑念を持つ。
インド栴檀、ニームがマツノザイセンチュウやマツノマダラカミキリに対して効果を持つかは不明である。
ただし、ニームはセンチュウには非常に効果があるといわれており、10数年前に試験研究が行われていれば、今頃は、と思う。
ニームの長所は天然物、インドでの長い使用経験、有機リンや塩素系農薬のような神経毒性はない、ミツバチへの毒性はない、厚生労働省のポジティブリストに含まれない物質(農薬ではない)など、人に対しても環境に対しても安全な物質です。
日本では農薬として登録されていないため、いくら安全でも殺虫目的では使用は禁止されています。
一方、多くの先進国では安全な農薬として空中散布にも利用されています。
ニーム以外にも松枯れ対策として有効な物質があるのかもしれないが、これに対する行政の研究体制が全くないこと、登録された(危険な)農薬しか利用できないという現状では、マツノザイセンチュウやマツニマダラカミキリに感染し枯れた松を一本一本伐倒して感染拡大を防ぐのが最高の方策と思われます。
ご意見は
mk-info@thisismk.co.jpへ
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裁判を起こしている反対派は、法律に基づいて行う予防的な空中散布よりも単木枯損木処理の方が、税金の無駄遣いになっていることを理解していない。農薬が嫌いならば、リンゴ園などに農薬散布している各農家の皆さんに対しても反対して裁判しないと理屈が通らない。
山辺、中山、片丘と放置することによりどんどん枯れてきているアカマツの処理費用を反対派の連中は支払ってくれるのか??普通は裁判を起こして損害賠償したいのは、こちらである。
松枯れ病は、松本地域でも大きな問題です。
我が正麟寺のお墓の松も見るも無残です。
松本平の北側山林は秋でもないのに松が枯れて茶色の山となっています。
一本一本の松の木の対策は全くの手遅れです。
空中散布の効果は九州で行われましたが、効果がなかったという報告もあり、悩ましい問題です。
10年前に市にも県にもニームを推奨しましたが拒否されました。残念です。
1. 九州での失敗例は、どこのものですか??
九州でも、本州でも成功例は沢山ありますので、比較検討する必要がありますよ・・・
2. 現在、反対派が裁判をしていますが、静岡県の判例からしても原告が負けるのは容易に推測されますので、昨年同様に途中で裁判を中止して逃げると思いますが、戦略的に反対派は汚いやり方をとりますね。裁判官の客観的判断を受けるべきですね。
反対派は、一本ずつ伐倒処理・薬剤注入しろと言っていますが、その方法は空中散布と比較して、べらぼーに税金の無駄遣いになることを知らない(勉強不足ですね)。まして予防的処置ではないので、どんどん被害が拡大した後に枯木を処理するだけなので、手に負えないゴミ処理ということが理解できていない。
誰か反対派に損害賠償請求すべきですね。松本市はとても資源的にも税金対策としても無駄なことをさせられているのよ。
そもそも、マツノザイセンチュウは114年前に北米から侵入してきた外来生物なので、ブラックバスと同様に積極的に撲滅対策をしなければならないものなのよ。
効果がありそうなものは、たくさんあるのかもしれませんが、市町村が散布するものとしては農薬として認可されていないものを撒く訳にはいきませんよね。法律に基づいて実施するしかないのですから。
個人が自分の庭に撒くのであればOKかもしれませんが。
反対派は、裁判をしているのにもかかわらず要望書を出して、独協医大の報告書を悪用して、「でたらめに解釈して未熟児と農薬があたかも関係があるような事を言っている」。困ったものだ。その報告書には、農薬の汚染経路、毒性、影響については書かれていないし、データ数が少ないので明確なことは言えない、と書かれているのに勝手にデタラメナ解釈をしている。著作権侵害も甚だしい。
明科、本郷、山辺、中山、片丘、洗馬、岡谷…と拡大してしまったこの松枯れを反対派は、どうしてくれるのか??損害賠償請求してもいいのでしょうか??
このHPは、ほとんどチェックしていないのですね・・・
残念ですね!!??
松本一太郎 様
前にも回答しましたように、弊社は現在ほどh買いが深刻でない折に、松本市と長野県に対して松枯れ病対策への提案をいたしました。
力不足で承認されません。
行政を動かすことは、弊社の能力を超えており、税金で運営される自治体、各研究所、大学機関などの範疇です。
また、本HPは裁判訴訟などとは、無縁のサイトですのでご理解ください。
了解しました。