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博士の愛した赤い果実ブアメラ:β‐クリプトキサンチンの発見

2022年03月03日 14:30 | コメント/トラックバック (0)

博士の愛した赤い果実ブアメラ

β‐クリプトキサンチンの発見

2005年8月にインドネシア、パプア島高地でブアメラに出会い、赤い色素は何かと先ず考えるのは自然の事です。
ブアメラのオイル製造工程を見せていただき、その場で急ごしらえのアルコールで抽出実験を行ったり、組織検査用サンプルは特殊液で固定し、信州大学医学部病理学教室で標本にして組織観察も行いました。
日本に持ち帰ったブアメラオイルのサンプルは、母校の長崎大学薬学部の同窓生である中島憲一郎教授(前長崎大学薬学部教授、副学長、前長崎国際大学学長)にお願いして分析同定を行いました。
その結果ブアメラには4種類のカロテノイドが確認され、その一つがβ‐クリプトキサンチンでした。

(この分析研究報告は、学会報告だけでなく英文誌に投稿しました。別の機会に報告いたします。)

インドネシアのみならず世界の研究者の誰ひとり報告していない。
世界で最初の発見で、大きな喜びを感じたものです。


β‐クリプトキサンチンは、当時より肺がん予防あるいは治療に重要な微量栄養素であることが報告されていました。
半世紀以上の愛煙家である著者にとっては、ノニジュースの効果と相乗作用が期待できるブアメラは、即座に研究対象にすることになったのです。

今なお、カロテノイドといえばβ-カロテンあるいはカロチンという名で、どなたでもご存知ですがβ-カロテンは肺がん予防作用はないことが明かにされています。
実は、肺がんリスクを軽減、治癒に関与しているのは、β‐クリプトキサンチンなのです。

以来、ノニとブアメラは著者のライフワークであり続け、中島教授の研究グループや武庫川女子大学薬学部などと共同研究を継続しています。

ノニは2000年より、ブアメラは2005年より毎日欠かさず飲むことにしています。
不摂生な生活にも拘らず、いまだ健康を保つことができており、インドネシアの薬用植物の恩恵に大いに感謝しています。

2008年のノーベル化学賞、文化勲章、文化功労者を受賞した下村侑教授は長崎大学薬学部出身。
我々の誇りです。
2018年、長崎市でご逝去、90歳
下村先生についてもっと知りたい方はこちらへ

 

中島憲一朗氏
元長崎大学薬学部副学長、前長崎国際大学学長、薬学部教授。
ノニに次いでブアメラの共同研究者

 

ブアメラ果肉の細胞
白く抜けている部分にブアメラを含む液胞が存在。
電子顕微鏡厚切標本、信州大学医学部病理学教室作製

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