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乳がん用ジャムゥ:インドネシア伝承医薬品クスリウコン

2023年11月09日 15:40 | コメント/トラックバック (0)

クスリウコン成分の組合せは
ヒトの乳がん細胞MDA-MB-231の成長を
アポトーシス誘導によって相乗的に阻害する

著者:Yew Hoong Cheah, Fariza Juliana Nordin, Rozie Sarip 他

雑誌名:Cancer Cell Int. 9:1, 2009 (published on line on January 2, 2009)

要約

背景

ガン細胞の増殖を天然物質を組み合わせることで治療効果を促進することが示唆されているところである。
本研究は、キサントリゾ―ルとクルクミンの組合せがアポトーシスの誘導を介してヒトの乳がん細胞MDA-MB-231に対して、相乗的なガン細胞成長阻害効果を持つかどうかの可能性を明らかにすることであった。
ガン細胞の成長を50%阻害する用量(GI50)は、SRB試験法を用いてキサントリゾ―ルとクルクミンを一定に決めた組合せの用量-反応曲線の対数値から決定した。
試験によるGI50値は、組み合わせによる相乗効果活性をイソボログラフィー分析と組合せ指数法によって決定するために用いた。
更に、組合せ処理による細胞死の機序の検討も本研究で行った。

結果

イソボーレ分析によると、キサントリゾ―ルとクルクミンを同時にガン細胞培養系に加えて場合は相乗作用を発揮し、順番に加えた場合には相加作用のみであった。
次いで、相乗作用を発揮する組合せによる試験を、細胞死の機序を決定するために行った。
MitoCapture抗体を使用した免疫蛍光染色では、アポトーシスの指標の一つであるミトコンドリア膜の透過性能の変化の可能性を示した。
Hoechst33258による核染色では、MDA-MB-231細胞のアポトーシス率の増加が認められた。
アポトーシスによる細胞死は更にDNA断裂法によって確認されたが、ヌクレオソーム間のDNA切除がキサントリゾ―ルとクルクミンによって惹起されたものであった。

 結論

本研究は、初めてキサントリゾ―ルとクルクミンの組み合わせによってMDA-MB-231細胞の細胞死効果を明かにし、この結果はキサントリゾ―ルとクルクミンの組み合わせがMDA-MB-231細胞をアポトーシスによって相乗的に成長抑制活性を示すという仮定を支持するものである。

注) 

1.アポトーシスとは細胞の自然死のことであり、不要細胞を細胞自身の調節によって死に至らしめる作用。
2.イソボログラフィー分析は、反応効果をみる一手法。
3.キサントリゾ―ルは、クルクミンと共にクスリウコンの含まれるテルペノイドである。

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