タピオカはインドネシアにとっては貴重な食料
熱帯薬用果実ノニとの関係
ノニ果実の有効成分スコポレチン
ノニ(Morinda citorifolia)は、アカネ科のインドネシアを起源とする熱帯薬用植物。
有効成分の一つにクマリン誘導体のスコポレチン。
2001年、長崎大学薬学部(当時中島教授)でノニジュース、葉、果実粉末中のスコポレチン並び類縁物質の分離測定方法が確立されました。
血小板凝集抑制、血液サラサラ効果、降圧作用、抗菌作用、抗変異原性作用など様々な薬理効果の本体として考えられています。
タピオカ(キャッサバ)のスコポレチン
2000年頃、アフリカのキャッサバを常食とする人々、特に成人に痴呆症状が多く発生する事を報告していました。
その作用機構として、キャッサバに含まれるスコポレチンが細胞内のエネルギー産生をつかさどるミトコンドリアの電子伝達系を阻害するのではと考えていました。
ミトコンドリアのエネルギー産生阻害は、実験的には青酸(HCN)を通常使用します。
キャッサバは、インドネシアの日常的な食料で通常パーム油やココナッツ油で揚げて食べます。
また、じゃがいもの代わりにチップス商品としても頻繁に使用されます。
キャサバ中のスコポレチンの有用性については、ノニの共同研究チームのインドネシア産業省傘下のCABI(Center for Agro-Based Industry)研究所に伝えていました。
2008年、長崎大学薬学部の和田准教授がCABIに赴き、スコポレチン測定技術の移転を行いました。
直ちに、CABIはキャサバ中のスコポレチン濃度の測定を行い、各種商品へのアドバイスを農業従事者や食品産業界に行っています。
それによって、現在のタピオカ(キャサバ)農業の隆盛が起きているのです。
同時にキャサバによるミトコンドリアの影響は、キャサバに含まれる僅かな青酸によるものであることが判明しています。
キャサバにはBitter CassavaとSweet Cassavaの2種類があり、アフリカで栽培されているものは前者、インドネシアでは後者の甘いタピオカです。
インドネシア産のキャサバ・スターチ(でんぷん)やミールには青酸が含まれていないことが確認されています。
10数年インドネシアに赴いていますが、キャサバが痴呆症に繋がる疫学的な報告はされていないのは道理です。
タピオカ(キャサバ)フライは良質の食料
インドネシアは常夏の国。
イスラムの国ですが、ビールは販売され非イスラム教徒はのむことができます。
その時のビールのつまみは、パームやココナッツオイルで揚げたテンペ、豆腐そしてタピオカです。
至る所にこれらの天麩羅屋が店を出しており、手軽に(ひとつ10円程)温かい揚げものを食べることができます。
タピオカの揚げ物は、表面葉少し硬いものの中はホッカホッカのまるで焼き芋のような食感。
少し塩味が付いており、一度食べたら病みつきになること必至でしょう。
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