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一瓶の薬局:ヴァージンココナッツオイルの話(10)、ダイエット

2015年07月15日 15:14 | コメント/トラックバック (0)

一瓶の薬局
善いオイル、悪いオイル
ヴァージンココナッツオイルの話
Drug Stores in a Bottle: Good Oil and Bad Oil

EVCOでダイエット

増加する肥満
2005年に発表されたメタボリック症候群基準によって、より明確に肥満が定義され、20歳以上の男性の約55%、女性の約20%がそれぞれ腹囲90cm、85cmを超えメタボリック症候群の予備群とされている。
本基準は大いに問題を抱え基準の見直しが必要だが、いずれにしても肥満気味の方が増加しているのは事実だ。
その原因として、食事の欧米化と運動不足が広く一般に認められている。

日本でいわれる肥満は病気でなく肥満気味と解釈したほうが良く、メタボリック症候群も病気でなく「心臓病や血管病変(動脈硬化)、糖尿病の発生を予防するための生活習慣の改善目標」と定義されている。
肥満気味は高血圧、心臓病や糖尿病の発症に関係し、知らず知らずにこれらの病気に陥るため、普段から食事や運動による配慮が必要だ。

食事の欧米化として脂肪分の取りすぎ、穀類や野菜の摂取の減少が大きな変化で、近代化に伴う運動不足によって摂取カロリーと消費カロリーのアンバランスによって肥満になる。

植物油と脂肪酸
脂質は、糖や蛋白質とは異なって化学構造によって分類されるのではなく、有機溶媒に溶ける物質の総称。
よって、一般の油(中性脂質)の他に脂肪酸、リポ蛋白質、ステロイド、脂溶性ビタミン類などが含まれる。
また、中性脂質などの典型的な脂質を単純脂質と呼び、これには食用油、サラダ油、ココナッツ油などが含まれる。

大豆油、菜種油やココナッツオイルなどの植物油の化学構造は、グリセリンという炭素数3個の簡単なアルコールに3個の脂肪酸が結合(エステル結合という)したもの。
脂肪酸は炭素の鎖でつながり、片方の端はカルボン酸でできている。

脂肪酸の炭素数は6~24まであり、炭素数や化学構造によって異なる脂肪酸名で呼ばれる。
炭素は4本の手を持って炭素や水素とつながり、炭素が隣の炭素と2個の水素でつながる場合は「飽和脂肪酸」という。
隣会う炭素が2本の手でつながる場合(ニ重結合)は、水素が1個しかつながらないため「不飽和脂肪酸」と呼ぶ。
脂肪酸中にニ重結合が1個の場合は一価不飽和脂肪酸、2個以上の場合は多価不飽和脂肪酸と呼ばれる。

飽和脂肪酸:

  -CH-CH-CH-CH-CH-COOH

不飽和脂肪酸:

  -CH– CH=CH -CH-CH-COOH

炭素数が2個のものが酢酸、4個のものは酪酸だが、これらは通常脂肪酸に分類されない。
炭素数6個から12個のものは中鎖脂肪酸、14個以上のものが長鎖脂肪酸。
植物油によってこれら脂肪酸の種類が異なり、それぞれの栄養的および物理的な特徴をもつ。
中鎖脂肪酸と炭素数16のパルミチン酸までは、すべて飽和脂肪酸である。

分かりやく理解するため、菜種油(カノーラ)とココナッツオイルの脂肪酸組成の1例を下記に示す。

脂肪酸

菜種油(カノーラ)1)

ココナッツオイル(VCO)2)

中鎖脂肪酸

略号

割合%

割合%

カプロン酸

6:0

0

0

0.6

64.4

カプリル酸

8:0

0

8.1

カプリン酸

10:0

0

6.6

ラウリン酸

12:0

0

49.1

飽和長鎖脂肪酸

 

 

 

 

 

ミリスチン酸

14:0

0

5.7

18.0

29.4

パルミチン酸

16:0

4.0

8.4

ステアリン酸

18:0

1.7

3.0

  一価不飽和脂肪酸

 

 

 

 

 

オレイン酸

18:1

58.6

58.6

5.2

5.2

  多価不飽和脂肪酸

 

 

 

 

 

リノール酸

18:2

21.8

32.6

1.0

1.0

リノレン酸

18:3

10.8

0

トランス脂肪酸

 

不明

検出せず

          1)五訂食品成分表  2)インドネシア産VCO 
(財)日本食品分析センター分析
 略号:最初の数は炭素数、後の数は二重結合数

脂肪酸と肥満
日本で消費される植物油は年間260万トン以上。
そのうち菜種油(カノーラ)と大豆油が60%を占め、中鎖脂肪酸に富むココナッツオイルやパーム核油は5%(平成19年度、日本植物油協会)。
食用油やサラダ油として消費される植物油のほとんどが、長鎖脂肪酸に富むオイルだ。
オレイン酸を中心とする長鎖脂肪酸、精製過程で生成あるいは意図的に水素添加を行ない非天然物化した悪玉トランス脂肪酸を含む食品を毎日摂取しているのが現実といって過言でない。

20世紀初頭、米国には肥満者、心臓病・高血圧・糖尿病患者は非常に少なかった。
それは中鎖脂肪酸に富むココナッツオイル、動物性脂肪やバターを日常的に食べていたからだ。
ココナッツオイルの輸入を禁止し、大豆油やこれから製造されたマーガリンの摂取が奨励され、いわゆるジャンクフードやファーストフードが蔓延すると共に肥満とこれに関連した心臓循環器系疾患、高血圧、糖尿病や乳がんが増加してきている。
米国の食品を受け入れた国や地域では、米国と同じ問題を抱えている。
最も長寿を誇っていた沖縄では、男性の平均寿命の首位の座はとっくに明け渡している。

一方、ココナッツオイルを食用オイルとして使用しているポリネシア、東南アジア、インド、スリランカやフィリピンのビコール地域の人々には、肥満やこれと関連する疾患は非常に少ないことは良く知られている。
中鎖脂肪酸に富む植物油は、肥満を予防し、かつ肥満の改善に大いに役立つ。
実際、日本では、中鎖脂肪酸を取り込んだ合成の食用油が特定保健食品として認可されている。
合成油が特定健康食品に認可されていること自体、非常に不可思議だ。

中鎖脂肪酸とダイエット
植物油に含まれる中鎖脂肪酸(炭素数6~12)と長鎖脂肪酸(炭素数14以上)の消化・吸収・分布・代謝には大きな違いがあることが明らかにされている。

中性脂質中の中鎖脂肪酸は、唾液や胃液中の脂肪分解酵素で非常に速く加水分解されて遊離の中鎖脂肪酸となる。
膵臓から分泌される脂肪分解酵素の働きがなくても容易に加水分解されるため、膵液分泌が不完全な乳児や患者にとっては、良好な栄養物質となる。
母乳に中鎖脂肪酸が多い理由であろう。
この中鎖脂肪酸は、速やかに小腸から吸収されこの状態で門脈を経て肝臓に取り込まれる。
肝臓に取り込まれた中鎖脂肪酸は、カルニチンの助けを必要としないで直ぐにミトコンドリアに移行し、β酸化という酸化システムでATPエネルギーとなる。

一部の中鎖脂肪酸は、ペルオキシゾームという小器官で酸化され熱産生に関与する。
ほとんどが肝臓で消費されるため、脂肪として蓄積されることは少ない。
余剰の中鎖脂肪酸は、必要に応じて長鎖脂肪酸合成に利用される。

中鎖脂肪酸の燃焼に伴い、長鎖脂肪酸の酸化燃焼を助長し、体脂肪の減少を引き起こす。
中鎖脂肪酸の酸化は、長鎖脂肪酸とは異なり高血糖状態でも速やかに行われ、エネルギー産生に寄与する。
長鎖の不飽和脂肪酸とは異なり、甲状腺の機能を低下させることはないので、全身の代謝活性を低下させない。
中鎖脂肪酸を含む脂質を摂取すると、長鎖脂肪酸や不飽和脂肪酸と異なり満腹感がえられる。

一方、長鎖脂肪酸を含む脂質は膵液中の脂肪分解酵素によってゆっくり分解され、吸収された後小腸粘膜内で再び中性脂質に再合成される。
この再合成された脂質はカイロミクロンとしてリンパ管に移行し、胸管を経て大静脈に入り全身に運ばれる。
肝臓に吸収された中鎖脂肪酸は、ミトコンドリアで酸化されるが、ミトコンドリアに取り込まれるにはカルニチンを必要する。
長鎖脂肪酸の多くは脂肪細胞に取り込まれ、脂肪滴として蓄積され、長鎖脂肪酸を含む脂肪分の摂りすぎ、運動不足(脂肪燃焼不足)によって肥満が引きおこされる。

長鎖脂肪酸に加え、ほとんどの植物油は不飽和脂肪酸で構成されているが、不飽和脂肪酸由来の悪玉トランス脂肪酸やオレイン酸の摂取も肥満の原因となる。

これら中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸、不飽和脂肪酸の比較を以下に示す。

効果

飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸

中鎖

長鎖

一価

多価

カロリー  kcal

6.8

9

9

9

消化

速い、膵液中脂肪分解酵素不要

遅い
膵液中脂肪分解酵素必須

吸収

非常に速い
胆汁不必要

遅い
腸管粘膜で中性脂質に再合成

分布

直接肝臓

カイロミクロンとしてリンパ管を経て全身へ

代謝

非常に速い
カルニチン不要

一部のみ酸化、カルニチン必須

食後高脂肪血

少ない

多い

脂肪組織蓄積

少ない

多い

満腹度

高い

非常に低い

低い

熱産生

あり

なし

抗甲状腺機能

なし

なし

あり

エクストラヴァージンココナッツオイル(EVCO)でダイエット
ココナッツオイルは中鎖脂肪酸や飽和脂肪酸に富み、3~4千年前よりインドのアユールヴェーダ医薬の一部である。
多くの熱帯地域では天然のココナッツオイルを主要な脂肪栄養源として利用し、心臓病や肥満で病む先進国とは無縁の健康生活を享受している。

植民地政策や経済のグローバリゼーションに伴い、食生活が欧米化された地域では、先進国と同じ健康被害が発生している。
後進国の主要都市でさえ肥満、心臓循環器疾患、高血圧、糖尿病、乳がん、アレルギーなどが増加している。

米国の植物油業界が流布している「ココナッツオイルはコレステロールに富む、高コレステロール血症と心臓病発症、動物脂肪と同様に危険、さらに多価不飽和脂肪酸が最も安全で健康に良い」との虚偽情報によって生活習慣病あるいはメタボリック症候群という文明病が引き起こされたのだ。
今まさに日常摂取する食用油の見直しが必要である。

  *ココナッツオイルにはコレステロールは含まれない。
  *高コレステロールと心臓病発症には関連性はなく、過酸化されたコレステロール
   (悪玉コレステロールの過酸化物)が心臓・循環器疾患の原因。
  *ココナッツオイルは動物性脂肪と同じように飽和脂肪酸が多く、安全で高栄養食品。
  *多価不飽和脂肪酸であるリノール酸は必須脂肪酸として必要であるが、
   その他の多価不飽和脂肪酸の摂りすぎは悪玉トランス脂肪酸が多く、
   肥満やその他の病気の原因となる。
  *特にオレイン酸が大部分の菜種油や大豆油は、精製過程でトランス脂肪酸を含み
   危険食品だ。
  *マーガリンやショートニングなどは、トランス脂肪酸のオイルであり、
   摂ってはいけない食品。

EVCOは、自然生育した完熟ヤシの新鮮胚乳を低温圧搾して得られた植物オイル。
一切の化学物質の使用や高熱処理をせず、マーガリンやショートニング用に水素添加をしていないトランス脂肪酸を含まない天然植物油だ。

中鎖脂肪酸を60%以上、飽和脂肪酸組成は90%以上の天然ヴァージンココナッツオイルは、菜種油や大豆油とは脂肪酸組成でおおきく異なり、油に対する認識が今おおきく変ってきている。
全世界中でオイル革命が現在起きていることに注目したい。

中鎖脂肪酸に富む脂肪での体重増加抑制(ダイエット)効果は、多くの動物試験で明らかにされ、ヒトでのダイエット効果あるいは抗肥満作用は疫学的に明らかである。

EVCOのヒトでのダイエット効果予備試験が日本で実施されている(Ingrid Waspodoら、国際熱帯薬用植物学会、2007年)。
この研究では、日本人およびインドネシア人女性10名が、EVCOを1日3回、1回に5~10mlを食前約30分に摂取した。
3ヶ月間に渡り体重、腹囲、総コレステロール、LDL/HDLコレステロール比を測定し、試験開始前と比較した。
食事制限など一切行わず、ありのままの生活状態での効果を検討した。
その結果、EVCO摂取開始前の値と比較して、各指標とも摂取に伴い減少し、ダイエット効果が確認された。
また、総コレステロールの減少と善玉のHDLコレステロール増加によるLDL/HDL比の低下が確認された。

EVCO Diet

毎日の食生活を変えることなく、EVCOを1日15~30ml(13.5~27g)摂取(100~200kcal)することによって、1ヶ月平均1kgの体重減少が可能であった。
肝機能や腎機能に何ら異常は観察されていない。

日本人の中鎖脂肪酸の摂取量はおおよそ0.2gだが、EVCOの1日15mlの摂取は中鎖脂肪酸の約8gに相当し、肥満解消や予防に効果的である。
この試験から、日常生活を変えず無理なくダイエットできるEVCOは、今までの常識をくつがえす健康機能食品といえる。

EVCOは天然オイルだから、25度以下で固まり、25度以上で液体になるため好みに合わせて食べる、あるいは飲むことができる。
天然のココナッツの芳香があり、摂取するだけでなく皮膚に塗布することによって紫外線による皮膚炎の防止、皮膚乾燥症の治療、マッサージに利用できる。
天然の皮膚保湿剤、髭剃り用化粧品として、また高級枠練石鹸素材としても利用されている。

フィリピンで行われた臨床試験では、HIV陽性患者にEVCOを45ml投与し、ウイルス量の減少が認められている。
中鎖脂肪酸は抗ウイルス作用を持つが、HIV/AIDSのみならずC型肝炎やインフルエンザに効果が期待されている。

3、3、3ダイエットを
もし肥満気味と考えられたら、無理なくダイエットを心がけるのがよい。
3ヶ月を目標として、体重を3kg、ウェストを3cm減らすことを心がけるのが理想的ではないかと。
3,3,3ダイエットです。

ヴァージンココナッツ油は、体脂肪を素早く減らす新栄養[中鎖脂肪酸]の宝庫
3,3,3ダイエットには1日大さじ1杯分補うだけ

はじめに
1.一瓶の薬局
2.秘かなココナッツオイル研究
3.ココナッツオイルの政治経済的歴史
4.アメリカの毒:アメリカ人は何故デブか
5.メタボリック・シンドローム
6.必須脂肪酸
7.トランス脂肪酸
8.1900年代初頭アメリカの心臓病
9.EVCOは糖尿病に効果
10.EVCOでダイエット(1)
11.食用油は短命の原因
12.EVCOでダイエット(2)
13.ファーストフードのトランス脂肪酸
14.粥状硬化の発症:神話と新しい事実(1)
15.粥状硬化の発症:神話と新しい事実(2)
16.カノーラオイルは安全か

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