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稀少栄養機能性食品ブアメラをBOPビジネスに
インドネシア、パプア島先住民の貧困の改善、脱却へ
BOPとは
BOPは、「Base of the Pyramid」の略。
すなわち、貧富のピラミッド構造において頂点のごく少数の最富者から、底辺に向けてすそ野が中間層、そして最も人数が多くすそ野が広い貧困層がBOP層となる。
貧困層の定義は必ずしも決まっていませんが、購買力として年間一人当たり1500~3000ドル以下とみてよいでしょう。
全世界で40億人以上がBOP層に属していると考えられます。
インドネシアのBOP層と現状
インドネシアの貧困の定義は、一か月の一人当たりの所得として211,726ルピア(約2,000円)以下、1日一人当たりの所得にすると7000ルピア以下、おおよそ70円以下とされています。
2011年のパプア州統計(Papua in Figures)によると、パプア州はインドネシアでも最も貧困率(36.8%)の高い州であると報告されています。
またブアメラの産地であるパプア州の高地の県では、海沿いの平地の県に比べて貧困率が顕著に高く、60~90%にも達しています。
今まで数度訪れたバリエム盆地のジャヤウィジャヤ県庁所在地ワメナ市は、人口も多く比較的発達している地域です。
州都ジャヤプラからの陸路はないため、航空会社の定期便を利用し、約1時間で2000mの高地に到着できます。
しかし僅か離れた村落への道路の整備状態は悪く、車両で他県へ行くことは無理です。
木を渡しただけの橋も多い。
洪水で道路、橋が寸断されているところも多い。
ホナイという伝統的な干し草の家に住み、電気、水道などの社会基盤整備は未整備です。
実際にホナイに宿泊した事がありますが、夕刻から朝方の冷え込みは激しく、寝袋を使用し一晩中囲炉裏で火を燃やし続けても寒くて眠れないほどでした。
現地住民は、主としてイモ類などの根菜類を主食としています。
動物性蛋白源として豚を1年に数度あるかないかの特別の祭事に食べることができるだけです。
家庭規模の豚の飼育は行われていますが、牧畜、養鶏はほとんど行われていません。
家族で消費する程度の小規模な魚養殖を行っている者もいるが、一般的でなく、川には魚はいません。
低栄養状態の住民は多く、豚が肺炎に罹患し一機に死亡するがあることを聞いたが、現地住民も肺炎の罹患率が高いと思われます。
ある村ではほとんどの住民がウイルス性の結膜炎に罹患しています。
他の高地の県においてはジャヤウィジャヤ県に比較し、生活環境は悪く社会基盤整備は遅れているものと容易に推測できます。
実際、本年2月に高地のトリカラ県とメンブラモ県を訪問しましたが、まさに上記と同様の状況です。
住民約2000人を管轄する保健センター(プスケスマス)によると、1カ月間に500人強の患者を診療・治療しています。
約25%の住民が呼吸器疾患、皮膚病、消化器疾患、発熱などの疾病にかかっています。
また、近年女性が妊娠しないという深刻な問題もあります。
パプア州高地住民の生活改善、貧困撲滅、社会基盤整備の推進は、インドネシア政府並びにパプア州政府さらに地方自治体の重要課題となっています。
ブアメラの栄養機能性:新しいビタミン
M&Kは、ブアメラの詳細な栄養成分、機能性成分の分析によって、4種類のカロテノイドやビタミンEが多く含まれ、特に現在微量栄養成分として注目を集めているβ-クリプトキサンチンが高濃度に含まれることを初めて発見しました。
さらに、ブアメラ抽出オイルの脂肪酸組成は動物性脂肪に匹敵するものであることを確認しています。
ブアメラオイルの安全性を確認し、生理作用研究からは抗腫瘍効果を認めており、既に学会誌に報告済みです。
メラニン産生抑制作用を確認し、臨床試験では予備試験ながらニキビ治療、育毛効果がわかり、利用範囲が広がることが示唆されています。
ブアメラオイル製造特許は日本において、CABIと共同で出願し審査中である。ブアメラオイルの機能性成分であるプロビタミンAのカロテノイドは容易に分解してしまうが、軟カプセル化することによって3年以上の賞味期限を持つ製剤化に成功し、既に日本では栄養機能性食品として発売されています。
ヒトによる試験で有効成分が速やかに吸収されることも確認しています。
β‐クリプチキサンチンの機能性は現在世界の注目を集めており、肺癌・前立腺癌、心臓血管病変、肝機能不全など多くの疾患の予防や改善に効果があることが報告されています。
日常新鮮な緑黄色野菜や果実を十分に摂取することができない現代生活を過ごしている日本人には、β‐クリプトキサンチンが不足がちです。
β‐クリプトキサンチンを積極的に補うことができるのが、インドネシア、パプア島に飲み植生する稀少果実ブアメラです。
このように、ブアメラはパプア島の現地住民のみならず、広く現代人の健康維持・増進、病気の予防・治療に寄与する有益な機能性食品と考えられます。
BOPへのM&Kの取り組み
(株)エムケーラボラトリーズ(M&K)はインドネシア原産の薬用果実ノニの研究を通じて、パプア高地の現地住民が食している赤い果実ブアメラに着目しています。
2005年、現地住民のブアメラへの関わりを調査しています。
2007年、インドネシア政府工業省の農業分野研究所(Center of Agro-Based Industry, CABI)とインドネシアの有用植物の共同研究(MOU),稀少植物ブアメラに関しては生物多様性条約に基づく物質移転協定(MTA)を締結しました。
日本およびインドネシアでブアメラを紹介する書籍を出版しています。
2008年、長崎大学薬学部に依頼してブアメラ有用成分の分析方法をCABIに技術移転を行いました。
2009年、パプア州政府の支援を受けて、ブアメラの植生実態やブアメラオイル製造工場の建設に関するインフラ調査を依頼され、高地のバリエム盆地を訪問しました。
2012年、パプア州政府の職員が来日して食品工場の見学や農業・畜産技術を見ていただき、同時に上下水道などのインフラについて直接視察勉強していただきました。
2012年11月、ブアメラを世界的に広める一環として欧州の製薬会社を通じて、ブアメラをNovel商品としてEU登録することを決定、合意致しました。
2013年9月、パプア州の副知事、そして3県の知事とお会いし、BOP層住民のブアメラを通じての碑益効果や保健医療への貢献について意見交換を行ています。
2013年12月、ブアメラの共同開発とBOP層を対象としたプロジェクトをに向けてのパプ州政府とM&Kは覚書(MOU)を取り交わしました。
2014年2月、メンブラモ県の知事の招待でパプアで最もブアメラが豊富な地域を訪問し、現地住民によるブアメラオイルの製造方法を見学するとともに、ブアメラ植生状況など多くの情報を得ることができました。
知事との会議内容や今後のブアメラ共同開発については、2月8日発刊の現地新聞紙上で大きく報道されたところです。
BOPビジネス構想
M&Kのブアメラへの8年に及ぶ取り組み、ブアメラの豊富な新規ビタミンβ‐クリプトキサンチンと他3種類のカロテノイドとビタミンE、脂溶性ビタミンの吸収に欠かせない動物類似のオイルなどの特性、さらにインドネシア政府、パプア州政府、パプア州各県のブアメラ開発への積極的な共同取り組み方針に基づき、M&Kは以下のようにBOPビジネス展開を考えています。
1 M&Kのか現地企業およびパプア州政府などの現地合弁法人を設立
2 パプア州政府、各県の協力の下、ブアメラの埴産、拡大、集荷、生産を実施
3 現地合弁法人は、ブアメラオイルの製造管理・品質管理、現地販売および海外輸出を実施
4 インドネシアの現地企業を通じてブアメラ製品をBOP層に提供・販売
5 インドネシアの現地企業はインドネシアおよびアセアン諸国に販売
6 M&Kは日本国内、およびEUなどASEAN諸国を除く地域で商品を販売
この流れの中で、キィーポイントとなるブアメラ果実の栽培、栽培農園の拡大、集荷、現場での製造は、州政府や県自治体の協力体制の下に行います。
BOP層はブアメラを栽培、販売するだけでなく、製造過程にも関与して頂くことになる。
また、ブアメラオイル商品は賞味期間が3年以上と長く、持ち運びが便利、容易にいつ、何処でも摂取できる利便性のためBOP層の健康管理・疾病予防や治療に利用していただく。
結果として、パプア島高地に植生するこの稀少植物ブアメラを通じたBOPビジネスが、特に貧困層が多い高地住民の所得増加、地域産業の振興、雇用促進、医療保健、教育分野での開発課題の解決の一つになると考えられます。
ブアメラは今世紀初めての注目すべき栄養機能性食品となり、現在のブアメラ栽培数では関心のある消費者の全員にご購入いただけません。
ブアメラの世界、パプア島高地で栽培や関与するBOP層を拡大し、BOPビジネスとして成功させたいと願っています。
M&Kは以上の構想・計画の下にBOPビジネスを展開します。
ご意見をお待ちしています。
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