奇形の兎唇・口蓋裂は新生児500人に一人の発生率
WHOの奇形の定義
総ての生物はその種族に共通に認められる形態学的特徴を持っている。
「このような形態学的特徴からの逸脱を意味し、解剖学的形態異常で、出産時に存在し、肉眼的に確認されたもの。」と定義されています。
奇形の頻度
奇形の出現頻度は国や地方、調査方法によっても異なりますが、一般的には新生児の2~3%に発見されます。
内臓奇形などは、生後次第に顕在化してきますので、頻度は増加します。
奇形の原因
奇形を起こす因子(催奇形因子)は、胎児の側に内在する内因(遺伝学的因子)と外部から加わる因子(環境因子)に区別されます。
兎唇・口蓋裂は遺伝学的因子による奇形と云われていますが、環境因子も関与していると推測されています。
環境因子
1)物理的因子
胎児の子宮内生活に異常を与えるような機械的障害、放射線、低酸素圧による酸素欠乏が重要です。
睡眠薬サリドマイドによるアザラシ症は日本でも見られましたが、化学物質による酸素欠乏によって出来た奇形です。
2)化学的因子
エーテル、アルコール、抗がん剤などによって骨などに奇形が起きることが知られています。
3)栄養障害
母体の栄養異常が様々な奇形の原因となっています。
アミノ酸のトリプトファン、銅、ヨードの欠乏のより脳や眼に奇形が発生します。
プロビタミンA、ビタミンB群、特に葉酸の欠乏は兎唇・口蓋裂を引き起こすことが明らかです。
4)内分泌異常
母親が糖尿病であったり、ホルモン分泌異常があると関連した奇形が発生します。
5)生物性因子
一般に妊娠初期の風疹や麻疹、耳下腺炎などのウイルス性疾患が奇形字が生まれることが多い。
6)母親の年齢
高年齢ほど新生児の先天性異常の発生頻度は高くなり、卵子の加齢変化や様々な影響によるものと考えられています。
兎唇
うわ唇に披裂のあるものを唇裂(cheiloschisis)あるいは兎唇(labium leporium, harelip)といいます。
唇の縁から鼻孔に達する披裂で片側あるいは両側に見られる場合があります。
兎唇の約半数は、口蓋裂を合併します。
発生時期は、妊娠36日と云われています。
口蓋裂
口蓋裂(palatoscisis, cleft palate) は上の顎の骨の披裂によるもので、口腔と鼻腔が直接つながってしまうものです。
発生時期は10週です。
発生頻度
兎唇・口蓋裂の発生頻度は、新生児500人に一人の割合と云われています。
決して少ない率ではありません。
葉酸(folic acid)と奇形予防
妊娠初期の栄養障害は、兎唇や口蓋裂を引き起こし易いため、妊娠可能な女性は特に栄養管理が必要となります。
葉酸の1日必用量は200μgであり、WHOや厚生労働省は妊娠可能女性や妊娠初期に葉酸の摂取を推奨しています。
ブアメラ300は妊娠可能女性の栄養機能食品
ブアメラ300は「赤い果実」のブアメラの果肉のオイル成分です。
赤ちゃんに必要な多くのカロテノイド(プロビタミンA、特にβ‐クリプトキサンチン)を含んでいます。
愛煙家の血液中βークリプトキサンチンは非常に減少していますので、補給が必用です。
これに不足しがちな葉酸を添加し、葉酸の補給を可能にしました。
また、抗酸化力の強いビタミンEを加えることによって、過酸化脂質の産生を抑制します。
参考資料:新病理学総論、相沢幹、菊池浩吉編、南山堂
推奨サイト:口唇口蓋裂のおはなし
http://www2s.biglobe.ne.jp/~k-island/clcp/index.html
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