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骨粗しょう症:意外と知られていない疾患

2021年11月26日 13:48 | コメント/トラックバック (0)

意外と知られていない
骨粗しょう症の健康への影響

骨粗しょう症
骨粗しょう症をNIH(米国国立衛生研究所)では、以下のように定義しています。
「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」。

 

骨の強度が低下するため、骨折がきわめて生じやすく、骨折を起こすと重大な日常生活や生活の質への影響が出てきます。

大腿骨の骨折は、直接的に日常の生活動作に影響が大きく、寝たきりに結び付く場合もあります。
そして、生命への予後を悪化させますので、十分に注意が必要です。
日本の調査では、大腿骨近位部(頸部)の骨折者の10%が骨折後1年以内に死亡すると、言われています。

椎体(背骨)骨折は、日本の70歳前半の25%、80歳以上では43%が罹患していているようです。
椎体の骨折は、新たに椎体骨折の危険因子となります。
椎体骨折は治癒後も椎体の変形を生じるため、骨折が多発すると背骨が曲がってしまいます。
背骨の変形により、痛みが続き日常生活行動に支障をきたし、生活の質の低下に陥ることもあります。

正常な椎体(背骨)と骨折
(出典:病気の地図帳、監修山口和克、講談社)

骨粗しょう症の要因
骨粗しょう症に至る疾患・要因には大きく3つの原因があります。

1.原発性骨粗しょう症
  下記に述べる続発性、その他の疾患に関係なく起きるものです。
  
  *閉経後骨粗しょう症
  *男性骨粗しょう症
  *特発性骨粗しょう症
   (妊娠後の骨粗しょう症など)

  大きな社会的、健康長寿の課題として、閉経後および男性(老人性)骨粗しょう症があります。

2.続発性骨粗しょう症
  何らかの疾患に伴いおこる骨粗しょう症です。
  *内分泌性 
  *栄養性
  *薬物性
  *不動性
  *先天性
  *その他

  動物実験で、度重なる低分子量ヘパリン注射によって大腿骨骨折と変形が起きた経験があります。
  続発性の原因が判明すれば、先ず第一にその原因を取り除くことが必要です。

3.その他の疾患

日本の骨粗しょう症例
2015年における推計として、
40歳以上の骨粗しょう症患者数は1280万人(男性300万にん、女性980万人)。

大腿骨骨折の発生数は、2007年に14万8100人(男性3万1300人、女性11万6800人)でした。
この発生率は、過去20年間増え続けています。

背骨(椎体)の骨折は、10年間の累積発生率として、
60歳の男性で5.1%、女性14%
70歳の男性で10.8%、女性22.2%の追跡調査の結果が出ています。

骨粗しょう症は男女ともに発症しますが、女性の場合は男性より3倍程度発症率が高いことが分かっています。

(参考資料:骨粗鬆症の予防と治療、ガイドライン2015年版)

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